アリスのリニア電源マザーボード LDM2041/LDM2042

キットの説明

 

【キットの概要】

アリス  「トロイダルトランスを実装可能な多目的電源基板です。
      電源トランス、整流ダイオード、平滑コンデンサー、CRフィルター(LCフィルター)、定電圧レギュレーターを実装可能で
      この基板一枚で2系統4出力の電源として完結します。
      互いに絶縁・独立したA,Bふたつの電源ラインに4個の三端子レギュレーター互換品を
      自由に接続して使用する、というのがコンセプトになります。」

LDM2041:正電源用基板、絶縁された独立2系統から4種類の出力電圧を生成可能。

LDM2042:正負両電源用基板、絶縁された正負それぞれ2種類ずつの出力電圧を生成可能。

実装可能トランス:RSコンポーネンツ扱いトロイダルトランス(トロイダルトランス・データシート
           1.6VA、3.2VA、5VA、7VA、10VA、15VA、25VA

みみずく 「多出力の電源が必要なDAコンバーターやプリアンプの電源として使いやすいものだね。」

アリス  「さらに出力数が必要な場合は、非安定出力にC3Bの定電圧モードやV.Reg2を繋ぐことで容易に出力を増設できます。
      また、定電圧レギュレーターとしてminiReg2opeRegLED.Regを実装した際にも
      トランジスターやオペアンプの交換がやりやすい配置になっているので音質のチューニングも簡単です。」


アリス 「レギュレーターの安全を確保しながら性能を引き出すには突入電流についての基本的知識が必要です。
     自作を始めたばかりの方に参考になるかもしれません。」

     →レギュレーターの突入電流対策について


【頒布について】

・アリスのリニア電源マザーボード(正電源用) LDM2041

内容
  基板(215.5o×61o)………1枚

 

・アリスのリニア電源マザーボード(正負両電源用) LDM2042

内容
  基板(215.5o×61o)………1枚

 

※本キット基板には各パーツは付属していません。

ご注文についてはオーダーについてをご参照下さい。


【キットの使い方】

アリス  「主要部分の回路図をのせておきます。
      セッティングについてはこちらを参照してください。

 

アリス  「動作に必要な各パーツはこのようになります。」

電源トランス(基板実装型トロイダルトランス)…1個

定電圧レギュレーターminiReg2opeRegLED.Reg 、三端子レギュレーターなど)…4個

レギュレーターの放熱器(ネジ止め、スタッド止め兼用)…4個(発熱量1W以下なら無くても可)

整流ダイオード…8個

平滑コンデンサー(電解コンデンサー)…φ25.4oは2個(基板自立型可)、φ18o〜12oは2個、φ10oは8個

デカップリングコンデンサー(電解コンデンサー)…φ10oが16個

抵抗器(CRフィルター用) もしくは インダクター(LCフィルター用、トロイダルインダクターなど)…4個

 

(以下必要に応じて)

ターミナルブロック(入出力端子)…5〜7個

LED(動作確認用パイロットランプ)…2個

抵抗器(LEDの電流制限抵抗1k〜2kR)…2個

セラミックコンデンサーorフィルムコンデンサー(整流ダイオードへのパラ用)…8個

サージアブソーバー、バリスタ(入力のサージ電圧保護用)…1個

M4ネジ(トロイダルトランス固定用)…1個


【実装例】

アリス  「LDM2041とLDM2042、見た目はほとんど同じです。
      ここでは正電源用のLDM2041の組立てを解説します。」

アリス  「まずトランス2次側と整流ブリッジの結線をします。
      通常はこのように繋ぎます。」

アリス  「続いて電源ラインA,Bと各レギュレーターの結線をします。
      A+とAG(グランド)、B+とBGはペアで結線します。
      G(グランド)は基本的にジャンパー線で繋ぎます。
      例ではCRフィルターの抵抗に47Rを使用しています。
      発熱と絶縁対策のため、それぞれ基板から少し浮かせて実装するのがポイントです。
      LCフィルターを組む場合はRをLに変えてください。」

アリス  「整流ダイオードとターミナルブロックを実装しました。」

アリス  「サージアブソーバー、バリスタなどを実装する場合はこのあたりを利用してください。
      雷サージなどの突発的な高電圧パルスから下流回路を保護することができます。」

アリス  「電解コンデンサーを実装しました。」

アリス  「平滑コンデンサーにはφ25.4o(基板自立型可)、φ18o〜12o、φ10oが実装できます。」

アリス  「Aライン、Bラインのそれぞれに動作確認用のLEDも実装できます。抵抗値は1k〜2kRくらいでしょうね。
      非安定の電圧からLEDのVfを差し引いて残りの電圧から数mA〜10mA程度を得るように抵抗値を決めるといいでしょう。」

アリス  「トロイダルトランスと放熱器を実装しました。
      トロイダルトランスは5VAのものです。」

アリス  「15VAのトランスはこんなカンジ。」

アリス  「レギュレーターを実装して完成です。
      miniReg2LED.Reg のトランジスター、opeRegのオペアンプの交換が容易に行なえるレイアウトです。
      レギュレーターが正常動作する為には、動作電流が少なくとも1mAは必要なので、
      出力電圧の調整を行なうときには出力のターミナルブロックに負荷として1kR程度の抵抗を取り付けるといいでしょう。」
 


【製作と実測例】

(LDM2041)
 ●使用トランス 5VA 115V:9V (型番:70021)

 ●セッティング : CRフィルターのRは全て47オーム1/4W
  ラインA@ +3.3V、約35mA を出力
  ラインAA +5V、約6mA を出力
  ラインB@ +5V、約30mA を出力
  ラインBA +5V、約30mA を出力

 ●実測値
  AC入力:約AC102V
  整流ダイオード:シリコン整流ダイオード普及品
  ラインA:整流平滑後の非安定電圧 約DC11.5V
  ラインB:整流平滑後の非安定電圧 約DC11.0V

 ●考察
  この使用例ではトランスは適合しているとみなせます。
  理想的にはレギュレーターのドロップ電圧は5V以上欲しいところですので
  5VA12Vのトランスもよいかもしれません。
  出力電流量を増やすなら、これよりも大型の7VA、10VAの9V、12Vもよいです。
  それと、トランスには出力電圧にある程度の個体差があります。
  ラインAとラインBにもいくらかの差があるようです。


(LDM2042)
※不適合例
 ●使用トランス 10VA 115V:18V (型番:70044)

 ●セッティング : CRフィルターのRは全て47オーム
  ラインA@ +15V、約50mA を出力
  ラインAA +15V、約50mA を出力
  ラインB@ −15V、約80mA を出力
  ラインBA −15V、約80mA を出力

 ●実測値
  AC入力:約AC102V
  整流ダイオード:シリコン整流ダイオード普及品
  ラインA:整流平滑後の非安定電圧 約DC19.8V
  ラインB:整流平滑後の非安定電圧 約DC−18.7V

 ●考察
  この使用例ではトランスは適合していません
  特にBラインではCRフィルターでの電圧降下を考慮すると
  レギュレーターの為のドロップ電圧が0Vということになってしまい全く機能していません。
  ということで15VA22Vに交換です。


(LDM2042)

 ●使用トランス 15VA 115V:22V (型番:70055)

 ●セッティング : CRフィルターのRは全て47オーム1W
  ラインA@ +15V、約50mA を出力
  ラインAA +15V、約50mA を出力
  ラインB@ −15V、約80mA を出力
  ラインBA −15V、約80mA を出力

 ●実測値
  AC入力:約AC102V
  整流ダイオード:シリコン整流ダイオード普及品
  ラインA:整流平滑後の非安定電圧 約DC25.5V
  ラインB:整流平滑後の非安定電圧 約DC−24.6V

 ●考察
  この使用例ではトランスは適合しているとみなせます。
  各レギュレーターにも性能発揮の為の充分なドロップ電圧がかかっています。
  この使用例では10VA22Vでも良さそうです。
  ちなみに市販の低ドロップ電圧対応のレギュレーターであっても
  ドロップ電圧はちゃんと確保した方が性能が良くなるそうです。


アリス   「というわけで、パーツを基板に半田付けして、ユーザーの責任と判断のもと、充分に注意してご使用ください。
      本製品の製作・使用等に伴う事故や損害等につきましては、こちらでは一切の責任を負いませんので、あらかじめご承知置きくださいね。」

 

その1

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