@UBR−1と同様に電源のベースとして柔軟な運用が可能な設計。
インプットフィルターを容易にかつ柔軟にセッティングできる。
また、UBR-1と形状互換で入れ替え可能(端子配置は異なるので注意が必要)
Aスペースファクターが向上。ケミコンボード並みにコンデンサーの搭載数が増えている。
・φ10o は34個
・φ16〜18o は10個
・φ25.4o(基板自立型) は6個
B両面金メッキ、銅箔厚70μmの高級基板を使用。振動にも強い。
70μm厚の銅箔と幅広の配線パターンで最大定格10A。
最少パターンギャップ2oで耐圧に優れる設計。
C放熱に優れるTO−220型のダイオードの実装にも対応。SiCダイオードも使える。
空冷効率を向上させるエアホールを装備。
ダイオード取り付けスルーホール径 φ1.4o φ1o(TO-220)
D動作確認用のLEDを搭載可能
みみずく 「ずいぶんと改良されているな。
特に複数の形状のコンデンサーに対応しながらも大量の実装を実現しているのがいいな。」
アリス 「あれは配線パターンを何度も手直ししました。アートワークはホントに大変でした。
反面、UBR−1と比べて耐圧は劣るので注意が必要です。
また、使えるダイオードの品種は大幅に減りました。」
みみずく 「ダイオードの対応数についてはトレードオフだし仕方がないな。
とはいえ、配線パターンの安全距離は2o確保されているから一般的な使い方を幅広くカバーできるだろうね。
しかし、箔厚70μmとは頑張ったね。」
アリス 「一般的な箔厚35μm(量産廉価品は18μm)の基板よりちょっと高いですが
AL3886FMCに充分な電力を供給したかったので奮発しました。」
みみずく 「なるほど、それは楽しみだ。」
【頒布について】
・アリスのユニバーサル・ブリッジ整流基板 UBR−2
内容
基板(175o×52.5o)………1枚
※本キット基板はセッティング自由度が高い為、各パーツは付属していません。
ご注文についてはオーダーについてをご参照下さい。
【キットの使い方】 ※以下、UBR-1の記事を一部加筆訂正して掲載しています。
アリス 「本基板の写真と回路図です。」


みみずく 「まぁ、回路としては簡単なものだな。」
アリス 「基板中央がフリーコネクトになっていて、ここが今回のミソです。」
みみずく 「たったこれだけのことで、応用範囲が飛躍的に広がるんだから面白いよな。
ここに抵抗(R)をいれることでCRフィルターになるし、インダクター(L)をいれるとLCフィルターになる。」
アリス 「それでは具体的な使い方の目安について見ていきましょう。」
【正負両電源:センタータップ式両波整流回路】
アリス 「ごく一般的な正負電源の整流・平滑回路です。ブリッジ整流を行ないます。」
みみずく 「この場合は、基板に記載してある例(e.g.)の通りとなるわけだ。」
アリス 「はい、これが回路図です。」

みみずく 「センタータップ式のトランスがなくても同じトランスが2つあれば同様のことができる。
1次と2次の巻線が2つずつあるトロイダルトランスなどもこのような使い方になる。」
アリス 「そのためにセンタータップ(CT)用の端子をもうひとつ用意しておきました。」

みみずく 「フリーコネクト部に挿入するRについては発熱を考慮しながら決めると良い。もちろん0Ωでも構わない。
Rの抵抗値を高めるほどに、また、Cの静電容量を高めるほどにCRフィルターの効果が強まる。
Rの発熱量の計算は次のとおり。」
・Rの発熱量(W) = 出力電流(A)^2 × R(Ω) :ここで ^2は2乗の意
アリス 「だいたい定格の半分くらいまでで使うといいんですよね。」
みみずく 「そうだね。あと、注意が必要なのはコンデンサーやダイオードの耐圧。
例えば、センタータップ式のトランスで12−0−12、もしくは独立した2つの0−12の巻線を持つものを使ったとする。
交流電圧12Vのピークは√2倍になるから約17Vだ。
平滑コンデンサーの耐圧は最低これ以上あればよいことになる。
ダイオードには両波分の逆電圧がかかるから17×2=34Vで、ダイオードの逆耐圧は最低でも34V以上あればよいことになる。
ただし、無負荷時はトランスの出力電圧が定格の1.5倍くらい高くなる可能性があるから、(小型トランスほど顕著)
それも考慮する必要がある。
話を簡単にするために、センタータップ式整流ではコンデンサーは定格電圧の2.2倍、ダイオードは4.4倍としよう。
・平滑コンデンサーの必要耐圧 ≒ 12 × 2.2 = 26.4
・ダイオードの必要耐圧 ≒ 12 × 4.4 = 52.8
つまりこの場合、既製品から選ぶとするとコンデンサーの25V品とダイオードの50V品ではそれぞれ耐圧オーバーの可能性があるから、
コンデンサーの耐圧は35V品以上、ダイオードの耐圧は70V品以上であれば安心ということ。」
【単電源:ブリッジ両波整流回路】
アリス 「単電源は回路がシンプルでわかりやすいですね。」
みみずく 「そうだね。まぁ、特別なことは何もない。正電源用はこうだね。」

アリス 「負電源用はこうですね。」

みみずく 「ちょっと面白い使い方として、こういうのもある。」


アリス 「出力を2系統に分けたんですね。」
みみずく 「そう、個別にCRフィルター、LCフィルターでデカップリングをかけて独立性を高めた、2つの出力が得られる。
なかなか実用的じゃないかな?」
アリス 「トランスにAC12V出力のものを使うと、平滑コンデンサーと整流ダイオードの耐圧は、
安全を見越して定格交流電圧の2.2倍以上の耐圧を持つものを使うとよいですね。
コンデンサーは35V耐圧品があります。」
・コンデンサーとダイオードの必要耐圧 ≒ 12 × 2.2 = 26.4
みみずく 「この方式は正負出力、0Vのそれぞれの経路で、電源トランスとの間にダイオードが挿入されているのが欠点といえば欠点なんだけど、
ダイオードの耐圧を低く出来る利点がある。」
【単電源:センタータップ式両波整流回路】
アリス 「単電源でもセンタータップ式両波整流ってあるんですね。」
みみずく 「というのか、むしろセンタータップ式としてはこちらの方が主流だったんだよ。」
アリス 「え?そうなんですか?」
みみずく 「正負両電源が使われるようになったのはオペアンプなどの半導体回路が主流になってからなんだ。」
アリス 「それは知りませんでした。電源といえば正負両電源がメインだと思ってました。」
みみずく 「この整流方式ではダイオードをふたつだけ使用する。正電源の場合はD1、D3のみを使用する。」

アリス 「では、負電源は同様にこうですね。D2、D4を使用します。」

みみずく 「そうそう。だいぶ要領がつかめてきたじゃないか。」
アリス 「この場合、センタータップ式のトランスで 0−12−24、や12−0−12、もしくは独立した2つの0−12の巻線を持つものを使ったとすると、
定格交流電圧12Vのピーク電圧は√2倍になるから約17Vで、
平滑コンデンサーの耐圧は安全のために12Vの約2.2倍の26.4V以上、つまり35V耐圧品以上が必要です。
ダイオードにはトランスのAC間の逆電圧がかかるから定格時は17×2=34Vで、
センタータップの場合、ダイオードの逆耐圧はコンデンサーの倍必要ですから、12Vの約4.4倍の最低でも52.8V以上が必要です。」
みみずく 「この整流方式はダイオードに高い耐電圧が必要になるんだけど、
0Vとトランスのセンタータップ(CT)の間にダイオードが割り込まないメリットがある。
そのぶんグランドのインピーダンスが下がるし、ダイオードの電圧降下によるロスも少ないわけだ。
また、トランスのセンタータップは一次側のAC100Vの変動の影響を受けないからグランドとしては安定している点も良いところだ。」
アリス 「そう聞くと魅力的な方法に感じちゃうわ。
念のため出力1と出力2がデカップリングされていない配線パターンも載せておきます。
以下が正電源です。」

アリス 「以下は負電源です。」

【単電源:倍電圧両波整流回路】
みみずく 「次はちょっと変則的な使い方で、倍電圧両波整流回路。」
アリス 「倍電圧?」
みみずく 「そう、倍電圧。コンデンサーに充電しつつ、コンデンサーとトランスを直列にすることで、
トランスの出力電圧の倍の整流出力電圧を得る回路だ。」
アリス 「すごーい。こんな方法があるのね。初めて見ました。」
みみずく 「真空管回路には良く使われるんだよ。
大電流を取り出すことは出来ないけど、トランスの昇圧用の巻線を増やさなくても高電圧を得ることができる。」
アリス 「こんな応用方があるとは思いませんでした。」
みみずく 「この基板は融通が利くからこんなことも出来る。」
アリス 「設計したのはあたしなのに思いつきませんでした。」
みみずく 「この整流方式では以下のように接続する。上の例ではD1、D2のみが機能し、下の例ではD3、D4のみが機能する。」


アリス 「なんだか動作がわかりにくいわ。」
みみずく 「経路にコンデンサーが直列に入るからね。他の整流方式とはちょっと違う。」
アリス 「まだまだ勉強が必要みたいです。 →コチラでやってみました。」
みみずく 「この回路でAC12V出力のトランスを使うと、定格時ピーク電圧は√2倍で約17V。
コンデンサーの耐圧は12Vの2.2倍である26.4V以上の35V耐圧品以上が必要。
ダイオードにはさらにその倍である52.8V以上の70V耐圧品以上が必要になる。」
【動作確認用パイロットランプ】
アリス 「UBR-2にはそれぞれのチャンネルに動作確認用のLEDを実装できるようになっています。
コンデンサーの電荷を抜くためにも機能するので便利です。」
みみずく 「目で見て確認できるというのは安心感がある。実用的な機能だな。」
アリス 「以下は回路図です。」

アリス 「V1〜V2間の電圧をVo、LEDの順方向電圧をVfとするとLEDに流れる電流Idは
LEDに流れる電流 : Id=(Vo-Vf)/Ra
となります。Id=2〜10mAくらいになるようにRa、Rbを選ぶといいのではないでしょうか。」
みみずく 「あちこちに使いまわす場合は、Ra、Rbを2.2kR(2W)くらいにしておけば5〜50V位の範囲で問題なくLEDは点灯するので
面倒がなくていいかもしれないな。」
【実装例など】
アリス 「実装は難しくないと思います。
あちこちで使いまわすときに備えて出力の白枠にマジックで極性を書いておくといいですよ。」

アリス 「というわけで、パーツを基板に半田付けして、ユーザーの責任と判断のもと、充分に注意してご使用ください。
本製品の製作・使用等に伴う事故や損害等につきましては、こちらでは一切の責任を負いませんので、あらかじめご承知置きくださいね。」
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