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アリスのユニバーサル・ブリッジ・ボード(多目的整流平滑基板)(UBR−1)キットの説明【簡単なもくじ】 【キットの概要】 アリス 「様々なダイオードやブリッジダイオード、表面実装ダイオードを実装できる多目的整流基板です。名前はUBR−1です。」 みみずく 「ショットキーバリアダイオード(SBD)なんかは表面実装部品の方が入手が容易で安価だからいいかもね。」 アリス 「最小パターンギャップは3.5oで設計しましたので、基板の耐圧を見積もるときの参考にしてください。」 みみずく 「前回も言ったけど、ドイツ規格を参考にするなら耐電圧はおよそAC250V(DCまたはピーク350V)、 アリス 「整流方式もブリッジ両波整流、センタータップ両波整流、倍電圧両波整流、半波整流(これはヤメテおきましょうネ!)、などに対応可能で、 みみずく 「なかなかフレキシブルな基板になったじゃないか。頑張ったねアリス。」 アリス 「えへへ♪ありがとうございます。おかげでアートワークに時間かかっちゃったんですけどね〜。」 【頒布について】 ・アリスのユニバーサル・ブリッジ整流基板 UBR−1
※本キット基板はセッティング自由度が高い為、各パーツは付属していません。 ご注文についてはオーダーについてをご参照下さい。 【キットの使い方】 アリス 「まずは本基板の写真と回路図です。写真はクリックすると拡大します。」
みみずく 「まぁ、回路としては簡単なものだな。」 アリス 「基板中央がフリーコネクトになっていて、ここが今回のミソです。」 みみずく 「たったこれだけのことで、応用範囲が飛躍的に広がるんだから面白いよな。 アリス 「それでは具体的な使い方の目安について見ていきましょう。」
アリス 「ごく一般的な正負電源の整流・平滑回路です。ブリッジ整流を行ないます。」 みみずく 「この場合は、基板に記載してある例(e.g.)の通りとなるわけだ。」 アリス 「はい、これが回路図です。」
みみずく 「センタータップ式のトランスがなくても同じトランスが2つあれば同様のことができる。」 アリス 「そのためにセンタータップ(CT)用の端子をもうひとつ用意しておきました。」 みみずく 「Rについては発熱を考慮しながら決めると良い。もちろん0Ωでも構わない。 ・Rの発熱量(W) = 出力電流(A)^2 × R(Ω) :ここで ^2は2乗の意 アリス 「だいたい定格の半分くらいまでで使うといいんですよね。」 みみずく 「そうだね。あと、注意が必要なのはコンデンサーやダイオードの耐圧。 ・平滑コンデンサーの必要耐圧 ≒ 12 × 2.2 = 26.4 ・ダイオードの必要耐圧 ≒ 12 × 4.4 = 52.8 つまりこの場合、既製品から選ぶとすると25V品と50V品ではそれぞれ耐圧オーバーの可能性があるから、
アリス 「単電源は回路がシンプルでわかりやすいですね。」 みみずく 「そうだね。まぁ、特別なことは何もない。正電源用はこうだね。」 アリス 「負電源用はこうですね。」 みみずく 「ちょっと面白い使い方として、こういうのもある。」 アリス 「出力を2系統に分けたんですね。」 みみずく 「そう、個別にCRフィルターでデカップリングをかけて独立性を高めた、V1+とV2+という出力が得られる。 アリス 「トランスにAC12V出力のものを使うと、平滑コンデンサーと整流ダイオードの耐圧は、 ・コンデンサーとダイオードの必要耐圧 ≒ 12 × 2.2 = 26.4 みみずく 「この方式は正負出力、0Vのそれぞれの経路で、電源トランスとの間にダイオードが挿入されているのが欠点といえば欠点なんだけど、
アリス 「単電源でもセンタータップ式両波整流ってあるんですね。」 みみずく 「というのか、むしろセンタータップ式としてはこちらの方が主流だったんだよ。」 アリス 「え?そうなんですか?」 みみずく 「正負両電源が使われるようになったのはオペアンプなどの半導体回路が主流になってからなんだ。」 アリス 「それは知りませんでした。電源といえば正負両電源がメインだと思ってました。」 みみずく 「この整流方式ではブリッジダイオードのうち半分のダイオードしか機能しない。 アリス 「では、負電源は同様にこうですね。D1、D2を使用します。」 みみずく 「そうそう。だいぶ要領がつかめてきたじゃないか。」 アリス 「この場合、センタータップ式のトランスで 0−12−24、や12−0−12、もしくは独立した2つの0−12の巻線を持つものを使ったとすると、 みみずく 「この整流方式はダイオードに高い耐電圧が必要になるんだけど、 アリス 「そう聞くと魅力的な方法に感じちゃうわ。」
みみずく 「次はちょっと変則的な使い方で、倍電圧両波整流回路。」 アリス 「倍電圧?」 みみずく 「そう、倍電圧。コンデンサーに充電しつつ、コンデンサーとトランスを直列にすることで、 アリス 「すごーい。こんな方法があるのね。初めて見ました。」 みみずく 「真空管回路には良く使われるんだよ。 アリス 「こんな応用方があるとは思いませんでした。」 みみずく 「この基板は融通が利くからこんなことも出来る。」 アリス 「設計したのはあたしなのに思いつきませんでした。」 みみずく 「この整流方式では以下のように接続する。上の例ではD1、D3のみが機能し、下の例ではD2、D4のみが機能する。
アリス 「なんだか動作がわかりにくいわ。」 みみずく 「経路にコンデンサーが直列に入るからね。他の整流方式とはちょっと違う。」 アリス 「まだまだ勉強が必要みたいです。 →コチラでやってみました。」 みみずく 「この回路でAC12V出力のトランスを使うと、定格時ピーク電圧は√2倍で約17V。 【実装例など】 コンデンサーはφ25.4oが4個、φ18o〜12oが6個、φ10oは10個まで実装できます。 入手しやすい、おなじみの端子台(ターミナルブロック)も使えるようになってます。 ケミコンボードに採用した金メッキ・ネジ止め端子が使えるようになっています。お好みでどうぞ。
アリス 「というわけで、パーツを基板に半田付けして、ユーザーの責任と判断のもと、充分に注意してご使用ください。 |