アリスのケミコン・ボード キットの説明

 
上記写真は製作例です。

アリス   「と、いうわけで“アリスのケミコンボード CB-36”をキットとして頒布しちゃいます。
      キットを製作したいきさつについてはコチラを観てくださいね。」

みみずく 「まあ、なかなかイイ出来だし、欲しい人がいるかも知れないね。」


【 New : 皆様のケミコン・ボードCB−36がパワーアップして帰ってきました。 】

アリス  「CB−36がパワーアップします。」

    ・銅箔厚が35μmから70μmに

    ・その証としてレジストカラーがグリーンからブルーに

    ※ただし、熱が逃げやすくなるためハンダ付けには80W前後の高出力の調温ハンダゴテをご用意ください。


 ・クルマのコンデンサーチューンに使いたい場合は下記を参照にしてください。

 ・ケミコンボードの接続法についてご質問をいただきました。こちらで解説します。


【キットの概要】

高性能な超低ESR 小型コンデンサーを36個並列搭載した36000μFのケミコンボード。
基板に実装したインダクタンス・キャンセリングによって高周波特性が改善されているハズ。
フリーホールも用意してあるので、LEDの点灯回路などの簡易な回路を実装できます。


【用途】

高性能電源平滑回路、ノイズフィルター回路、クルマのコンデンサーチューンに、
オーディオやエフェクターの電源カスタマイズに使うと音質が…♪


【頒布について】

アリス   「ご注文にはオーダーについてをご利用ください。」

@アリスのケミコンボード CB-36

内容
  基板………1枚
  超低ESRコンデンサー(WG:25V 1000μF)……36個
  電源ターミナル(配線ネジ止め端子 金メッキ)……4個

※キットなので完成品ではなく部品での配布です。ユーザーが組み立てる必要があります。

 

Aアリスのケミコンボード CB−36 基板のみ 

 


 【 左:基板 96x66o 厚さ1.6o 】  【 中央:コンデンサー φ10x23o 】  【 右:電源ターミナル 】

    


アリス   「キットに付属するコンデンサーは、みみずく先生オススメの高性能品ですね。」

みみずく 「SUNCON(旧SANYOブランド)のME-WG、25V・1000μFだよ。
      超高性能、超低ESRコンデンサーとしては最も大型のものだ。
      耐圧25Vなので、これ以下の電圧で使用しなければならない。」

アリス   「あ、それでね、みみずく先生。ケミコンは耐圧の半分で使えっていう意見や、いやいや7割で使えっていう意見を聞くんですけど、
      実際はどうなんですか?」

みみずく 「ディレーティングだね。ただ、メーカーのテストによると10Vで使っても、25Vで使っても寿命に違いは無い。
      だから、耐圧を確実に超えないことがわかっている場合にはギリギリで使ってもかまわない。例えば安定化電源の出力なんかだね。」

アリス   「ギリギリだとなんだかコワイです。精神衛生上良くないような…。」

みみずく 「耐圧オーバーが過ぎるとケミコンは破裂するからねえ。ただ、寿命には使用温度の影響の方がはるかに大きい。
      WGは105℃で4000時間の動作寿命が保証されているんだけど、
      使用温度が10℃下がるごとにアレニウスの法則に従い寿命が倍に伸びる。最大で14年程度がメーカーの主張する限界だ。」

アリス   「ということは、85℃で使えば16,000時間の寿命があるということですね。」

みみずく 「そういうことだね。あと、ここでも書いたけど温度が上がるとケミコンは容量が増える。温度が下がると減る。
      ま、あんまり気にしてもしょうがないけどね。」

アリス   「温度の高い場所で使うには、電子レンジ対応のタッパーなんてケースによさそうですね。防水だし。」

みみずく 「そうだね、台所のものは実に役に立つ。中学生のとき、よく勝手に活用してしかられたもんだ。」

アリス   「ところで、ケミコンボードにはφ10mmのケミコンが36個まで搭載できるようになってます。
      リード線の直径は標準的なφ0.6mmに対応しています。」

みみずく 「標準添付品以外のケミコンを使う場合には充分に確認しないといけないな。」

アリス   「いうまでも無いことですが、ケミコンのシース(外皮)にラインがついている方がマイナス端子ですよね。」

みみずく 「わかっていても、たまに反対につけてしまうことがあるんだよな。その場合、通電したら破裂するので気がつく。
      通電テストでは顔を近づけてはならない。ゴーグルがあるとより望ましいかな。」


【クルマのコンデンサーチューンについて】

アリス   「ケミコンボードをクルマのコンデンサーチューンに使いたいという人がいるかも知れませんが、
      その場合、いくつか注意点があるんですよね?みみずく先生?」

みみずく 「そうだね。まず、クルマをいじる場合にはイノチの危険があることをきちんと認識しなくてはならない。
      場合によっては、自分ばかりではなく他人を巻き込むことも起こりえる。大事なクルマを壊してしまうコトだってあるかもしれない。
      当たり前のことだが、とても重要なことだ。」

アリス   「そうですよね。私もみみずく先生に、気軽に実験をお願いしちゃったけど、本当は軽々しくやるものではないんですよね…。」

みみずく 「まずは、危険性を認識し、真摯に勉強をすることからだね。
      自己責任は当然だが、他人を巻き込めば、そんなものでは済まない。」

アリス   「なんだか、コワくなってきちゃいました。」

みみずく 「ビビッてばかりではつまらないので、ちゃんと勉強して責任を持ってチャレンジしようってハナシさ。」

アリス   「ふふふ、そうですよねー♪」

みみずく 「そういうことを踏まえたうえで、注意点。但し、アドバイスしたからといって私は何の責任もとらないよ。
      自分で納得いくまで勉強してから自己責任で実行すること。
      ここに書いてあることは全てを網羅してはいないし、間違っているかもしれない。」

@12V用バッテリー搭載車のみに使うこと。
キット付属のケミコンを24Vバッテリー搭載車に使ってはなりません。
オルタネーターからの充電電流が耐圧の25Vを超えケミコンが破裂する恐れがあります。

Aヒューズを必ず入れること。
めったにあることではありませんが、ケミコンはショートモードで破壊することがあります。
ショートモード破壊を起こした場合、大電流が流れ発熱→発火→火災に至る場合があります。
このような場合、ヒューズは非常に有効です。
結線の参考図を下記に記します。

Bケミコンボードを結線する瞬間、かなり大きな火花が出る。
結線の瞬間、ケミコンボードには一気に充電が行われます。超低ESRのWGを搭載したケミコンボードには、かなり大きな突入電流が流れます。
これは、平気な人は平気だと思いますが、かなり大きな瞬間放電が起こります。
原理上、感電はしませんが(高電圧ではない)バッテリーの鉛製ターミナルの一部が蒸発するほどの熱エネルギーが発生します。
充分注意してください。
火花はいやだという場合には、結線前に一度、バッテリーとケミコンボードの間に抵抗を介して、ゆっくりと充電することをオススメします。
270Ωの抵抗で30秒も繋げば大丈夫でしょう。
ちなみに今回の実験では、330Ωの抵抗でなんとなく10秒ほどケミコンボードを充電してからバッテリーに繋いでみましたが、
盛大に火花が飛び散りました。バッテリーのターミナルもちゃんと(?)ひとかけらほど蒸発しました。
おそらくケミコンボードには半分ほど充電されていた状態です。
超低ESRではない通常のケミコンであれば、ここまでの火花は飛びません。
ケミコンボードの結線は必ずバッテリーのマイナス側から行います。外すときはマイナス側から外します。
そうしないと、うっかり配線と接触したボディー部分が大電流でバチンッ☆と、はじけとびます。場合によっては溶着します。

Cケミコンにはハロゲン系(塩素系)の接着剤を使用してはならない。
ハロゲン基はケミコン内部の電解液を化学的に著しく犯します。ハロゲン系の接着剤の使用は厳禁です。
ハロゲンフリーなどと表記されていない接着剤にはほとんどハロゲン系有機化合物が入っています。エポキシなどもそうです。
また、基板上に正しく実装されていればケミコン自体を接着する必要はありません。ケミコンの温度条件を悪くするだけです。
ホットボンドなどでケースに埋め込むこともNGです。

 

みみずく 「一般的なことは他にもあるんだけど、あとは自分自身で勉強するように。」

【 配 線 図 】


アリス   「というわけで、キットに含まれるパーツを基板に半田付けして、ユーザーの責任と判断のもと、充分に注意してご使用ください。
      本製品の製作・使用等に伴う事故や損害等につきましては、こちらでは一切の責任を負いませんので、あらかじめご承知置きくださいね。」

 

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