アリスの可変定電圧・安定化電源基板(V.Reg)の巻き その2
アリス 「こんにちはー、みみずく先生ー。アリスでーす。」
みみずく 「やあ、アリス。もしかして、基板ができあがったのかい?」
アリス 「今回は(今回も)わたしにはちょっと難しくて、いろいろと時間がかかってしまいました。」
みみずく 「上手くできたかい?」
アリス 「はい、このとおりです♪みてください♪」

※大型トランジスターを取り付けるホールにE,C,Bの補助線がありません。次期ロットから修正します orz

※トランジスターの表記がNPNと誤記されてます。正しくはPNP。次期ロットから修正します OTZ
みみずく 「おぉ、なかなかいいじゃないか。」
アリス 「名前は『アリスの正電圧可変型・定電圧安定化電源基板』と『アリスの負電圧…以下同文』です。」
みみずく 「…覚えられん。」
アリス 「略して『V.Reg(+)』と『V.Reg(-)』です。」
みみずく 「miniRegより機能が増えてるね。」
アリス 「わたしなりに考えて面白そうな機能を取り入れてみました。回路図はこれです。」(2011.02.22
回路図変更)
【V.Reg(+)】
【V.Reg(-)】
みみずく 「入力と出力に電解コンデンサーの搭載スペースがあるんだね。」
アリス 「ある程度大きなサイズのものを使えるように工夫しました。
入力にはCRフィルターを構成するための抵抗を取り付けられるようになっています。」
みみずく 「ジャンパーピンが3ヶ所あるね。」
アリス 「どんな機能を採用するのか迷いましたが、次の3つにしました。」
【JP1:FETを使った定電流回路⇔抵抗】
TL431に供給する電流源を選択する。この回路ではFETに2.5V以上の電圧降下が必要
なので、入力と出力を小さな電圧差で使用する場合には、FETではなく抵抗を選択することができる。
【JP2:non-NFB⇔NFB】
TL431のリファレンス端子への入力を選択する。出力からの影響を受けにくい自己完結型
(non-NFB)とするのか、出力を監視しながら精密に制御(NFB)するのか、選択することができる。
【JP3:出力トランジスターをダーリントン接続で⇔シングル(単体)で】
出力トランジスターをダーリントン接続で使う場合と、単体で使う場合を選択する。小出力のと
きはトランジスターを単体で使うこともできる。JP3を抜いたままにすると小信号用トランジスターの
ブリーダー電流無しのダーリントン接続となります。
みみずく 「実験的で面白いじゃないか。」
アリス 「大出力時の発熱にも備えて、トランジスターを基板の端っこに乗せました。これで放熱フィンを付けられると思います。
あと、大きなトランジスターをつかえるように予備のホールも設けました。」
みみずく 「良い工夫だね。基板の応用範囲が広がるかな。」
アリス 「あとは、各種ブリーダー抵抗を付けられるようにしたことと、トランジスターのベースとグランドの間にコンデンサー(Cx)をつけるための
予備ホールも設けてみました。
ここに数十μFのコンデンサーをつけることで、電源投入後、ゆっくり電圧が立ち上がるスロースタート電源にもなります。」
みみずく 「よく頑張ったじゃないか、アリス。いい基板だと思うよ。」
アリス 「ありがとうございます♪ちょっと時間がかかっちゃいましたけど。」
みみずく 「それで、実験はしてみたのかい?」
アリス 「はい、届いたその日に組み立ててて、ギター・エフェクターの電源に使ってみました。こんなふうに。」

みみずく 「15Vのスイッチング電源アダプターに直結して9Vの出力を得ているんだね。簡単だね。」
アリス 「わたしのお友達にも使いやすいと思います。
V.Reg(+)の出力にはコンデンサーを載せないで、アリスのケミコンボード(CB-36)を繋いでます。」
みみずく 「で、どうだった?」
アリス 「付属のアダプターと比べて、サスティーンの伸びが良くなるみたい。ぎゅおーん、だったのが、ぎゅおぉぉぉーん、ってなるみたいな。
あと、リフのときの粒立ちがいい。ピックを弦にあてたときの音がよく聞こえるようになった。」
みみずく 「ジャンパーピンの設定はどうだい?」
アリス 「定電流・non-NFB・ダーリントン、で使ってます。
抵抗より定電流回路の方が、音の表面が良くわかるというか、ざわざわしたカンジがなくなります。これが静けさってコトなのかな?
あと、non-NFBモードの方がわたしは好き。
だけど、楽器にもよるみたい。」
みみずく 「ふむ、なるほど。ひとまずは成功みたいだね。君のお友達には渡したのかい?」
アリス 「あ、それなんですけど、安全のためにコレクター損失の説明をしてみたんですけど…」
みみずく 「理解してくれた?」
アリス 「それが、全然ダメで…。わたしの説明も、うまくないんでしょうね…。
ベーシストの人は大丈夫そうなんだけど、ギタリストのコがかなり心配…。」
みみずく 「下手をすると※火傷、最悪は火事になってしまうからね。」※冗談ではありません。
アリス 「なので、こんな表を作って渡しました。」

みみずく 「よく使う電圧にあわせてかいたんだね。すばらしいじゃないか、アリス。」
アリス 「わたしって友達想いでしょ?」
みみずく 「そうだね、そう思うよ。サイコーに友達想いだ(笑)。」
アリス 「でしょ♪でしょ♪」
みみずく 「お友達の方も上手くいったのかい?」
アリス 「二人とも上手くいったみたい。電源でこんなに音が変わるんだスゴイって、とっても喜んでた。これで同志が増えたわ♪」
みみずく 「それは、よかった。アリスの目論見どおりと言うわけだ。」
アリス 「そのとおりなのです♪」