Alice In Underground (アリス・イン・アンダーグラウンド)

〜アリスの地下研究室〜

 


【 目 次 】


 
【 上級コース : さらに RaspberryPi を改造してみましょう。 】 ※一部ちょい難易度高め。

 

上級コースの改造内容は 「中級コース : RaspberryPi を改造してみましょう。」 での改造作業が完了している前提になっています。

上級コースをさらに強化した最上級コースを用意しました。RasPiの音は素晴らしいですね。

 

アリス 「前回の改造では RasPi の電源の 1.8V、3.3V、5V をスイッチングレギュレーターからリニアレギュレーターに変更しましたが、
     実は RasPi にはもうひとつ、1.2V のスイッチングレギュレーターが搭載されています。
     ちょっと難易度が高いかもしれませんが、今回はこれを改造してみましょう。
     ここの改造をすることで、晴れて RasPi のフル・リニア化が完了します。がんばりましょー。

     まずは電源ラインの概要図です。前回とは少しだけ違いがありますよね?
     そうです、1.2Vの部分が増えています。」


 

アリス 「1.8Vと3.3Vのスイッチングレギュレーターの撤去は前回の改造作業で済んでいるはずですから、今回撤去するのはこの部分になります。
     この1.2VのスイッチングレギュレータはプログラマブルレギュレーターでCPUコアに電力を供給しています。
     スイッチング周波数はおよそ3MHzです。」


 

アリス 「そして、このように4つのリニア電源を供給します。( 1.2V 、 1.8V 、 3.3V 、 5V ) 」


 

アリス 「今回は難易度がやや高めのところがあるので作業を二段階に分けます。
     まず優先するのは以下の赤丸の部分、スイッチングインダクターの撤去です。
     取り外しが難しかったら、フェライトコアをニッパーで砕いてからハンダゴテで撤去してもいいと思います。
     プリント配線やレジストに傷をつけないように注意してください。」


 

アリス 「今回は割らずに頑張って取り外してみました。」


 

アリス 「さて1.2Vの給電配線を取り付けるわけですが、以下の赤枠で囲んだ部分に取り付けます。
     あまりスペース的に余裕がないので他の部品や配線への接触に注意してください。
     グランド配線は前回と同様にMicroUSBコネクターのスリーブにハンダ付けします。

     常にいえることですが、ハンダゴテを長時間あて続けているとレジスト(※)が剥がれてショートが発生することがあります。
     作業は短時間が基本です。」
     (※)レジスト:プリント基板の表面に塗布されている絶縁皮膜。緑色のものが多く使われる。

  
 

アリス 「配線を取り付けました。
     ツイストしてインシュロックタイでまとめておきます。
     こうしておくと、不意に配線が引っ張られたときにプリント基板のランドが引きちぎられてしまうことを防げます。」

  
 

アリス 「さぁ、ここまでやれば1.2Vのリニアレギュレーターを接続して RasPi を動かすことができます。

     もちろん私はディスクリート・リニア・レギュレーターの「アリスのRegシリーズ」を使います。
     少々手間がかかりますが、三端子レギュレーターやLM317などの
レギュレーターICではこの良さは味わえません。

     試聴の結果は大変良好なものでした。

     音は前回の改造と比べてもさらに良くなります。サ行のつんざくような音が丁寧に躾けられて不快感無く描写されます。
     空気感も増してリアリティーのレベルがさらに高まったように感じます。
     やはり、ディスクリート・リニア・レギュレーターはいいですねー。」

 
アリス 「このままでも充分に楽しめると思うのですが、やはり基板上に残した使っていない1.2VのスイッチングレギュレータICの存在が気になります。
     このICからは電源の供給は行われていませんが、単独で3MHzで発振し続けているので何らかの影響があるかもしれません。」


アリス 「というワケで、腕に自信があって音が気になる人は1.2VスイッチングレギュレータICを撤去してみましょー。
     場所は以下の部分です。
     赤丸で囲んだパーツが本命のICですが、×をつけたパーツを巻き込んで外しても構いません。
     ランドを破損する可能性が高いのでニッパーは使わない方が良いと思います。」

  
 

アリス 「このパーツの何が難しいのかというとですね、取り外した後なんです。
     ICを取り外した後に、以下のような3x5のハンダ・ドットが現れます。
     ここをブリッジさせてはなりません。
     ここがハンダでブリッジしてショートすると重大かつ致命的なトラブルが起こることがあります。
     ルーペで確認しても良く見えないほど小さいので、よくよく注意してハンダ・ブリッジを除去してください。」


アリス 「お疲れ様でした。これですべての改造作業は完了です。
     ここまで来れば、もはや勝ったも同然。
     間違えないように慎重にリニア電源と接続して試聴してみましょう。
     きっと、頑張ったあなたを異次元の素晴らしい世界が待っています。」

 

〜 試 聴 結 果 〜
 

アリス 「使ってないICなんか外しても、もしかして違いなんか無いんじゃないかなぁ?とか思っていたんですが、相当な違いがあります。
     音に落ち着きがでてくるにも関わらず音楽的表現力が増すという結果になりました。透明度も上がります。
     あまりにも素晴らしいので、みみずく先生のところにも持って行って聴いてもらいました。
     軽量コンパクトでシステム一式でも簡単に持ち運びできるのもいい点ですね。」

みみずく 「ほぉぉぉぉぉ〜おおおおぉ〜。
      アリスの言う通り素晴らしい音だな。RasPiは底知れぬ実力を秘めているようだ。」


 
【上級コースで使う リニア電源一式 のキットセットを用意しました。】

音質の専用チューニングも施されています。

  • RasPi 2B or 3B 専用セッティングのリニアレギュレーター ( 1.2V 、 1.8V 、 3.3V 、 5V )
  • 各レギュレーターは旧き良き、高音質のフルディスクリート回路です。音質チューン済み。
  • ローノイズトランジスター付属
  • トロイダルパワートランス
  • SiCレクティファイヤー(炭化シリコン整流ダイオード)
  • 各電源に過電流保護機能付きで高信頼性を確保、5VはUSBから外部へ供給することも可能。
  • 配線材なども含め必要なパーツ一式を同梱

改造 RaspberryPi 2B or 3B 専用ディスクリート・リニア電源キットセット(上級)
 


横浜市のSuさんから上記キットの製作記事をご投稿いただきました。

RaspberryPiの改造などにも触れているとても充実した内容です。

是非参考にしてください。 投稿記事はこちら


 

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