【 ラインプリアンプ 】
(実用目的)
・ライン信号を任意の音量に調整してローインピーダンスでパワーアンプに送り出す。
・セレクタースイッチを組み込んで入出力を切り替えられるようにする。
(ALP−mkIIで目指すメリット)
・充実した電源システムとレギュレーターのチューニングによる高S/Nで味わい深い音質
アリス 「ラインプリアンプは、オーディオラインと呼ばれる機器間のアナログ信号伝送路の信号を扱うもので、
主にパワーアンプの前段アンプとして音量調整などのために使われます。
例えば、フォノイコライザーアンプやDACからハイインピーダンスでライン信号を受け取って、
音量調整をしたのちローインピーダンスでパワーアンプへとライン信号を送り出す、というようなことです。
セレクタースイッチと組み合わせて入出力を切り替えられるように作られることも多く、
そうしたプリアンプはコントロールアンプと呼ばれることもあります。
ラインプリアンプでは数百mV〜数V程度のオーディオライン信号を扱います。
より細かくは民生品オーディオラインで最大2Vrms(2.83V)になります。
一般的なオーディオラインの負荷インピーダンスは2k−100kΩ程度なので、
最大でも伝送路には数mAの電流しか流れません。
一方、業務用オーディオラインの信号電圧は最大12.277Vrms(17.36V)になります。
ただ、現在となっては業務用途でも600Ωラインはメリットが少ないので10kΩが使われることも多くなってきました。」
【 セッティング例 】
- バランス/アンバランス入力兼用ラインプリアンプ
- 増幅率は4倍

※17,18 と JP13,JP14 はDCカットのためのハイパスフィルターを構成する。
ジャンパーの取り付け(ON)でフィルター無効、取り外しでフィルター有効。
カットオフ周波数は10uFで約4.8Hz、47uFで約1Hz。
コンデンサーの極性は入力側を+にします。両極性タイプだとより安心。
※Co1−6はシステムのチューニングによっては無いほうが音が良い場合もあるので、
試聴しながら取り付けや取り外しをするのも良いです。
面倒な場合は最初から取り付けてしまいましょう。
※高域の安定性が気になるときは位相補償をするのも効果があります。
E24に10〜470pF程度のフィルムコンデンサーかマイカコンデンサーを使い、
JP22、JP23を操作して有効無効を切り替えます。
※ラインプリアンプのように帰還量を増やして低ゲインで使うと、オペアンプの動作が不安定になりやすいです。
特にディスクリート初段回路を併用すると低ゲインでの不安定性が強まります。
低ゲインでディスクリート初段回路を使うときは位相補償を行いつつ、
前段オペアンプには安定性に優れた5534系のオペアンプを使用することをお奨めします。