可変定電圧ミニ・レギュレーター(miniReg) キットの説明
【三端子レギュレーター互換】

    
【 左:基板      中:シャント・レギュレーターTL431      右:製作例】



 ※レギュレーターについてはこちらも参考にしてください。

   アリスの電源マニアックス


【キットの概要】

アリス   「miniReg(みにれぎゅ)は、シャント・レギュレーターTL431と高性能なディスクリート・トランジスターを使用した、
      小型の可変定電圧レギュレーター基板キットです。基板は23x39oとコンパクトです。
      正電圧用がminiReg(+)で負電圧用がminiReg(-)になります。
      それぞれ、三端子レギュレーターで有名な78xxシリーズ、79xxシリーズとピン互換になっていますので置き換えが可能です。
      丸ピンソケットが付属しているので、音質に影響が大きい小信号用トランジスターをハンダ付けせずに差し替え試聴ができます。
      キット製作のいきさつについては、例によってコチラを参照してください。」

みみずく 「ちょっとした実験ができるようにも、してあるんだよね?」

アリス   「そうですね、出力からの負帰還(NFB)をTL431にかけるかどうかを、
      non-NFB/NFBモードとしてジャンパーピンで簡単に切り替えられるようになっています。
      オーディオの電源に使用した場合、non-NFBモードではTL431をオーバーオールの負帰還から切り離した
      独特の静かでどっしりとした音質を楽しめると思います。」

みみずく 「少し注意点があって、miniReg(-)のNFBモードは構造上安定性に劣り実験用とした方が良いので、
      実用に際してはnon-NFBモードでの使用をお勧めするな。」

アリス  「以下に回路図です。」


【 左:miniReg(+)            右:miniReg(-) 】


【キットの内容】

アリス  「キットの頒布についてです。ご注文はこちらのフォームをご利用ください。」 ※頒布終了しました

@miniReg(+) 

内容
  基板(23x39o)……1枚
  シャントレギュレーター(TL431)……1個
  小信号用トランジスター(2sc1815(L)-GR)……1個
  電流増幅用トランジスター(2sc3421-Y)……1個
  保護ダイオード……1個
  金属被膜抵抗……3本
  可変抵抗……1個
  ジャンパーポスト……1個
  ジャンパーピン……1個
  L字ピンヘッダー……1個
  丸ピンソケット……1個

 

AminiReg(-) 

内容
  基板(23x39o)……1枚
  シャントレギュレーター(TL431)……1個
  小信号用トランジスター(2sa1015(L)-GR)……1個
  電流増幅用トランジスター(2sa1358-Y)……1個
  保護ダイオード……1個
  金属被膜抵抗……3本
  可変抵抗……1個
  ジャンパーポスト……1個
  ジャンパーピン……1個
  L字ピンヘッダー……1個
  丸ピンソケット……1個

 

※キットなので完成品ではなく部品での配布です。ユーザーが組み立てる必要があります。


【 製作例 miniReg(+) 】

 

 

 

【 製作例 miniReg(-) 】

 

 


 

【使用のコツなど】

アリス   「応用方法なんかはコチラのページでやったので、その抜粋です。」

@入力電圧は6V〜32Vが望ましい。トランジスターの耐電圧チェックも忘れずに。

A出力電圧は1.7V〜入力電圧の4V以下(NFBモードでの最低出力電圧は約2.5Vです。)

B発熱量は1Wまで。電流は300mAまで。発熱量=(入力電圧−出力電圧)×出力電流

CVRのノブを右に回すと出力電圧が高くなる(miniReg(-)の場合は低くなる)

DNFBモードの出力電圧はnon-NFBモードよりも約1.2V高い
  ※miniReg(-)ではモードの切り替えによって、出力電圧が倍近く変化するので注意が必要です。

 

みみずく 「電圧の設定はブレッドボードなどを利用して、あらかじめ行っておいてから、実装後に精密調整をするのが良いと思う。
      ところで、このセッティングは出力電圧を広い範囲で可変できるように考慮されている。
      その代償として3〜5V程度の低い電圧の調整はやりやすいんだけど、15V前後の電圧の調整はとてもやりづらい。
      その場合は可変抵抗を10kΩに変更すると改善される。秋月電子で購入可。」

アリス   「可変抵抗を使わずに、固定抵抗(普通の抵抗)を使って電圧を決め打ちすることもできます。」

可変抵抗と差し替える固定抵抗をR(Ω)とすると、
TL431の出力電圧={(10000Ω+R)÷R}x2.495
となる性質があります。

アリス   「なので、non-NFBモードの場合はこの電圧からトランジスターのVbe約0.6Vx2=1.2Vを差し引いたものが出力電圧となります。」

みみずく 「NFBモードの場合はminiReg(+)とminiReg(-)では振る舞いが違う。詳しくはコチラを参照のこと。
      ついでに指摘しておくと、丸ピンソケットを使うと小信号用トランジスター(Tr2)の差し替え試聴ができるけど、
      トランジスターによって実はVbeはまちまち。電圧を可変できることはこの点でも調整が利き都合が良い。」

アリス   「電力増幅用トランジスター(Tr1)を変更することで、最大出力電流を増やすことができますよね。
      キット付属の2sc3421だと1Aが限界で性能を考えると300mAまでがベストですけど。」

みみずく 「TO-220型トランジスターで、より電流を多く流せるトランジスターに変更することで可能だよ。
      ただ、やはりminiRegは放熱器無しで使えるような、コレクター損失1W以下での使用がお勧めだね。」


アリス   「というわけで、キットに含まれるパーツを基板にハンダ付けして、ユーザーの責任と判断のもと、充分に注意してご使用ください。
      本製品の製作・使用等に伴う事故や損害等につきましては、こちらでは一切の責任を負いませんので、あらかじめご承知置きくださいね。」

 

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