トランジスターを簡単に差し替えする方法

 

アリス   「今日はちょっとしたコワザについてのハナシですね、みみずく先生。」

みみずく 「そうだね、こういうのもお気楽でいいね。」

アリス   「ところで、エフェクターの改造をやっていると、
      トランジスターをとっかえひっかえして、試聴しながら音を追い込みたくなることがあります。」

みみずく 「オーディオ・アンプを作っているときには、よくそんなふうになるね。」

アリス   「いちいちハンダ付けをしていては、トランジスターを外すのも、もう一度取り付けるのもとても面倒です。」

みみずく 「だいたい、そんなことをやっているとすぐに基板がぼろぼろになってしまう。
      ちょっと引っ張ると基板のランドなんて簡単にはがれてしまう。」

アリス   「わたしは気に入ったキットは必ずふたつ買います。ひとつは改造でぼろぼろになっちゃうから。」

みみずく 「コンデンサーなどの他のパーツへの熱ダメージも心配だ。」

アリス   「できれば、あんまりハンダ付けはしたくないんです。」

みみずく 「そうだね、アリス。良くわかるよ。私はハンダ付けがとても嫌いなんだ。」

アリス   「いいんですか、みみずく先生?そんなこと言っちゃって?」

みみずく 「だから工夫をしたくなるのさ。
      さて、昔はトランジスターソケットなるものが売られていた。まだトランジスターが高価だった頃のものだね。
      こんなやつだ。これを基板に取り付けておけば、トランジスターを簡単に差し替えできる。」

 

アリス   「最近は見かけないパーツね。」

みみずく 「トランジスターよりソケットの方が高価になってしまったから、あんまり生産されていない。
      さて、そのトランジスターソケットは実はこんなもので代用できる。」

アリス   「左からL字ピンヘッダ、ピンヘッダ(ジャンパーポスト)、丸ピンソケット、ですね。」

みみずく 「そう。必要な分だけ切り離して使う便利なものだ。秋月電子で購入してきた。
      この丸ピンソケットには、ちょうど小信号用トランジスターの標準サイズであるTO-92サイズのトランジスターの足がぴったりとはまる。
      こんなふうに。

 

アリス   「すごーい、ほんとにぴったりだわ♪」

みみずく 「トランジスターの抜き差しに対してもかなりの耐久性がある。しかも数年放置したくらいでは接触不良など起こらない。
      金メッキもされているしゴージャスだ(?)。」

アリス   「基板もいためないし、耐久力もあるならとても安心な方法ですね。」

みみずく 「これは自作家の間ではワリと知られた方法なんだよ。」

アリス   「もっと大きなトランジスターの場合はどうしたらいいんですか?」

みみずく 「TO-220くらいのトランジスターなら放熱器無しで使われることも多いから、
      差し替え試聴ができるようにしておくと便利かもしれないね。
      実は大型のトランジスター用のソケットを探してみたら、作っているところはあるんだけど、1個1000円もする。」

アリス   「どっちが主役かわからないくらい高いですね。」

みみずく 「そこで、こんなものを作ってみた。」

 

アリス   「何ですか?これ?」

みみずく 「XHコネクターにリード線を取り付けたモノだよ。XHコネクターは千石電商で購入できる。
      これを基板に取り付けるとTO-220サイズのトランジスターを自由に抜き差しできるよ。」

アリス   「へぇー、こんな利用法があるんですねー。」

みみずく 「実装例はこんなカンジね。」

 

アリス   「専用品みたいに安定してますね。」

みみずく 「と、いうことで、今日はこんなところかな?」

アリス   「はい、みみずく先生。今回もありがとうございました。」

みみずく 「お役に立てたら何よりだ。」

アリス   「うふふ♪これで実験しまくりなのです♪」

 

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